「表側と裏側、どういう違いがあるの?」
「表側矯正で目立たないようにできるの?」
歯の矯正治療前に、いろいろなご相談をいただきます。
歯の表面に矯正装置をつけて矯正を行う表側矯正は、見た目が悪いという印象をお持ちの方も多いと思いますが、最近では、目立たない装置での矯正治療も可能です。
表側矯正の特長と、他の矯正方法を比較していただき、ご理解を深めていただければと思います。
目次
・表側矯正とは?
・表側矯正がおすすめな方
治療期間を短くしたい方
治療費用を抑えたい方
発音への影響を少なくしたい方
外科的矯正治療を行う方
・表側矯正のメリット
様々な歯並び(不正咬合)に対応可能
治療期間を短くできる
治療費用を抑えられる
発音の影響を受けにくい
・表側矯正のデメリット
矯正をしていることが分かる
口を閉じづらい
金属アレルギーの方には不向き
・目立たない表側矯正
・表側矯正の相場費用と治療期間
・表側矯正のよくある質問
表側矯正とは?
表側矯正といわれる治療方法は、ブラケットという小さな四角い装置を歯の表面に接着し、そのブラケットにワイヤーを通して、ワイヤーの弾性力により歯を動かし、歯並びを整えていきます。
表側矯正は昔から使われている最も歴史のある治療方法で、ワイヤー矯正やブラケット矯正と呼ばれることもあります。
最近では、ワイヤーやブラケットの色など審美性を重視し白色や透明な装置で、目立たなく矯正治療を進めていける方法もあります。

表側矯正がおすすめな方
・治療期間を短くしたい方
裏側矯正やマウスピース矯正の場合、装置の制作期間として、1~2か月かかります。
その点、表側矯正は、装置の制作期間が無いため、すぐに装着が可能です。
また、裏側矯正やマウスピース矯正と比較して、毎回の治療時間も短くなります。
・治療費用を抑えたい方
表側矯正は他の治療方法と比べて、安くなる傾向があります。
ある程度の見た目を許容できる方で、治療費を抑えたい方にはおすすめです。
・発音への影響を少なくしたい方
話し方に極力影響がない方法を求める方におすすめです。
裏側矯正は舌に装置が触れますが、矯正装置が舌に当たりにくい表側矯正は滑舌において影響が少ないです。
・外科的矯正治療を行う方
顎変形症で外科的矯正治療を行う場合には、表側から装置をつけないと保険適応にはなりません。
表側矯正のメリット
・様々な歯並び(不正咬合)に対応可能
裏側矯正やマウスピース矯正では対応できる症状が限られている場合もありますが、表側矯正は対応できる装置の種類が豊富で、適応できる歯並びの範囲も広く、すべての不正咬合に対応可能といってよいでしょう。
・治療期間を短くできる
裏側矯正やマウスピース矯正に比べて、装置の制作期間を短縮できたり、毎回の治療時間を短くできるため、通院の回数や時間を少なくできます。
・治療費用を抑えられる
他の治療方法と比較して、表側矯正は治療費用を抑えられます。
表側矯正のデメリットを確認し、ある程度許容できる範囲であれば、表側矯正で治療費用を少なくする選択は良いでしょう。
・発音の影響を受けにくい
矯正装置が舌に触れやすい裏側矯正などに比べて、表側矯正は舌に当たりにくいので、滑舌に最も影響が少ない治療方法です。
仕事柄、発音に影響が無いほうが好ましい方などは、表側矯正がおすすめです。
また、食事も装置が舌に当たらないので、違和感や不快度は、裏側矯正に比べて少なく、メリットといえるでしょう。
表側矯正のデメリット
・矯正をしていることが分かる
歯の表面に装置を付けますので、やはり歯の矯正をしていると、口元から分かります。
見た目を気にされる度合いによりますが、分かられたくないという方には、裏側矯正など、他の治療方法が良いでしょう。
ただ、歯の表面に装着するブラケットやワイヤーの色など、目立たなくする装置もありますので、ご相談いただければと思います。
・口を閉じづらい
表側矯正は唇の内側に装置が付くため、引っかかりなどにより、口を閉じにくい場合があるでしょう。
矯正装置が当たる分、唇に厚みが出て、突き出た口もとの印象になるかもしれません。
・金属アレルギーの方には不向き
ワイヤーを使用するので、金属アレルギーの方には不向きです。
金属アレルギー対応の装置もありますが、金属を含んでいないわけないので、使用してみないと分かりません。
マウスピースタイプによる矯正治療がおすすめです。
目立たない表側矯正
表側矯正には多くのメリットがあり選択したいのですが、やはり見た目のデメリットが気になるという方もいらっしゃるでしょう。
最近では、歯の表面に接着する一般的なメタルブラケットを、セラミックやプラスチックの性質にしたものなど、白色や透明色などで、付けているのを分かりにくく、目立たないようする装置があります。
また、ワイヤーもブラケットと合わせて、ホワイトワイヤーなど白色系のワイヤーにより、より目立ちにくくする表側矯正もあります。
ただ、強度が下がったり、費用が上がったりする場合がありますので、どこを優先されるか、メリットデメリットを踏まえて、カウンセリングでご相談のうえ、決めていただければと思います。
表側矯正の相場費用と治療期間
表側矯正の治療費は70万円から90万円が相場でしょう。
また、一般的な矯正治療期間は2年から3年です。
ただし、治療方法などにより 費用と期間は変わってきますので、歯列矯正の治療前に カウンセリング等で きちんと確認し、ご理解ご納得のうえ 治療に進みましょう。
表側矯正のよくある質問
Q1:
表側矯正のメリットは?
A1:
一般的に表側矯正から勉強を始める矯正歯科医が多いと思います。
そのため表側矯正での経験値が高く、治療結果の予測がしやすいことがあるでしょう。
また、幅広い症例に対応ができ、費用も安価になる傾向があります。
顎変形症での外科的矯正治療は、表側矯正で行わないと保険適応にはなりません。
Q2:
表側矯正のデメリットは?
A2:
歯の表側に装置がつけるため、装置が見えやすく、唇や頬の内側に当たりやすいことがデメリットとしてあげられます。
近年は、白や透明の矯正装置が出てきており、目立ちにくくなっています。
また、装着直後は粘膜に刺激が加わりやすくなりますが、慣れてくるとトラブルも少なくなります。
気になる場合は矯正用ワックスで装置を覆うことで粘膜を保護できます。