インプラント矯正は、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療で、小さなネジを歯ぐき、顎の骨に埋め込み、これを土台(固定源)にして、前方の歯を動かしたり、場合によっては、奥歯をさらに奥へ移動することも可能となる治療方法です。

目次

・インプラント矯正とは？

・インプラント矯正のメリット

・インプラント矯正の注意点

・インプラント矯正は痛くないの？

・インプラント矯正の治療症例

・インプラント矯正の相場費用

・インプラント矯正のよくある質問

インプラント矯正とは？

インプラント矯正とは、歯列矯正用の小さなネジ（アンカースクリュー）を顎の骨に埋めて、そのネジを固定源として歯を移動させていく、歯列矯正の治療方法です。

一般的なワイヤー矯正では、歯そのものを固定源として、歯列矯正したい歯に力をかけて移動動させていくため、大きな力をかけにくいケースがありました。

インプラント矯正では、顎の骨に埋め込んだネジを固定源とするので、移動させたい歯に対して大きな力を加えやすく、従来の矯正治療よりも、効率よく短期間で歯を動かすことが可能になります。

また従来の歯列矯正治療では、歯を動かすことが難しかった方向にも、インプラント矯正を活用すれば、歯を移動できる選択肢ができます。

インプラント矯正で使用するネジ（アンカースクリュー）は、とても細くて短く、顎の骨に埋める際にも、ほとんど出血や痛みを伴わないため、安心して治療を受けていただけるでしょう。

インプラント矯正のメリット

・動かしたい方向に強い力を加えられる
・動かしたくない歯には負担をかけずに治療できる
・難症例にも矯正治療に対応できる
・痛みや出血を伴わない数分程度の治療で完了
・矯正治療期間を短縮できる

まず、なんと言っても、最大の特長は、しっかりとした固定軸があるため、移動させたい歯に大きな力を加えられるという点です。
ワイヤー矯正では、歯そのものを固定軸とするため、あまりに大きな力を加えてしまうと、どうしても歯に負担がかかるため、強度の調整が生じてきます。

インプラント矯正は大きな力を動かしたい歯に加えられ、ワイヤー矯正では分散していた力を、治療対象の歯に集中できることで、その分、治療効果ができ、矯正治療期間の短縮も期待できます。

また強度に加えて、奥歯など歯列矯正対象外の歯に、ワイヤーをかけるなど、負担をかけることはないので、矯正治療対象の歯のみに、直接、治療のアプローチができる点も大きなメリットです。

従来なら抜歯をして治療を進めたような症例でも、歯科矯正用アンカースクリューでは、歯を抜かずに済んだり、また、今まで外科的治療が必要であった症例でも、手術を回避できることがあります。

近年、難症例といわれる歯列矯正の治療が難しいケースも増えていますが、インプラント矯正を活用した治療を選択すると、歯列矯正が可能になる場合があります。
ガミースマイルや開咬（上下の歯が部分的に咬み合わず開いてる症状）など、歯列矯正が難しいと言われた場合でも、あきらめずに、ご相談ください。

インプラント矯正の注意点

・手術前に十分な検査が必要

・インプラント周囲炎になるリスクがある

小さいとはいえ、顎の骨にネジを埋め込む手術を行いますので、インプラント矯正の手術前に、必要十分な検査は必須です。
歯の状態や顎の骨の密度、健康状態を確認することで、インプラント矯正が適しているかどうかの判断を、担当の矯正歯科医師の診断を受けてください。
疑問点や不安な点があれば、遠慮せずにお尋ねください。

また、インプラント周囲炎を引き起こさないよう、家庭でのオーラルケアに加えて、矯正歯科医院での定期的なメンテナンスをしっかり受けるようにしましょう。

インプラント矯正は痛くないの？

インプラントと聞くと、大掛かりな手術とお感じの方もいらっしゃると思いますが、実際のところ、そうではありません。
歯科矯正用のミニスクリューインプラントは、直径1.2㎜・長さ6〜9㎜と非常に細く、違和感もほとんどなく、外科的侵襲も最小限に抑えることができます。生体親和性に優れた純チタン製です。
インプラント矯正で使用するアンカースクリューは、数分程度で埋め込むことができ、痛みや出血もほとんどありません。またアンカースクリューが不要になった際の除去も、簡単に行えます。

歯科矯正用アンカースクリューを埋め込む時には麻酔を施します。

歯科矯正用アンカースクリューを取る時は麻酔無しで治療を行います。

インプラント矯正の治療症例

1.初回診断時

出っ歯で 口唇から いつも前歯が見えてしまい 口元が閉じにくいとお悩みの女性。
上顎前突症（出っ歯）で 前歯を確実に後方に移動するには、奥歯は動かないようにしっかり固定しておく必要があります。
そのために歯科矯正用アンカースクリューを使うことは 極めて有効です。

2.治療中

出ている前歯を効率よく後方に移動させるため、小臼歯を抜歯し、矢印の位置に歯科矯正用アンカースクリューを埋め込みました。
歯科矯正用アンカースクリューを固定源（土台）にゴムをかけ、前歯を後ろに移動させます。

3.治療終了

歯科矯正用アンカースクリューを利用した矯正により、出ている前歯は引っ込み、きれいな歯並びになりました。
また、口唇をしっかり閉じることが出来るようになり、引き締まった口元になりました。
もちろん、最後には歯科矯正用アンカースクリューを取ります。

インプラント矯正の相場費用

インプラント矯正の相場費用は、通常の矯正治療費に加えて、20,000円～50,000円かかることが多いです。

また、インプラント矯正では、小さなネジを埋め込むため、抗生物質や痛み止めが処方されることもあります。その際に処方箋の追加費用がかかることもあります。

カウンセリングでお見積もりを出してもらいましょう。

インプラント矯正のよくある質問

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